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水琴窟の"水音"を訪ねる旅(1)比叡山延暦寺

Posted on 2014.08.19(Category:水琴窟情報局)

20140812根本中堂DSC_0486.JPG
水琴窟を訪ねる水琴窟陶芸家、
奥田大器です。

今回からこの「水琴窟情報局」では陶製水琴窟作家奥田大器が
陶製水琴窟研究のため実際に脚を運び"水音"を聴いた水琴窟を紹介していきたいと思います。

題して"水琴窟の水音を訪ねる旅"ブログを始めます。
元々そのつもりで「水琴窟情報局」を始めたのですがやっと準備が整いました。

第一回は『比叡山延暦寺』です。
【取材日 2014 8/12 Tue】

第一回に相応しい霊峰です。一枚目の写真は根本中堂です。
分かりやすいように一枚目は根本中堂の写真を使いましたが、
まずはどのルートで登ったかからご説明致します。

hieizan140812DSC_0460.JPG
やはりこれ!!一度は乗ってみたかった坂本ケーブルです。

20140812坂本ケーブル時刻表DSC_0463.JPG
30分に一本出ています。

余談ですがこの坂本駅舎には信楽焼の販売コーナーがあります。
そこでちょっと驚く事がありました。
20140812坂本駅舎の湯呑DSC_0466.JPG
写真中央の湯呑はこの取材の2日前まで一所懸命窯に詰めていた
うち(壷八)で作っている緑斑点の湯呑です。

なんとそれが坂本駅舎で販売されていました!!ありがとう問屋さん!!

この斑点一つ一つ親父と職人さんと俺で押したんだと思うと
何故か目頭が熱くなってきました・・・。

あまりにも嬉しかったので写真をパシャパシャ撮っていると売り場のお姉さんが
「信楽焼お好きなんですか?良かったらこれをどうぞ」と
20140812狸の由来DSC_0467.JPG
信楽狸の八相延喜の説明書きをくれました・・・。よく存じています・・・。

そうこうするうちに
hieizan20140812DSC_0470.JPG
ケーブルカーがやって来ました。テンションが上がります。

いざ東塔地域に向けて出発です。
20140812坂本ケーブルカー中DSC_0472.JPG
団体のお客さんと一緒に山頂へ。

hieizan20140812DSC_0479.JPG
山の上のケーブル延暦寺駅です。
山頂は湿度は高かったですが気温はひんやりとしていました。

このまま少し歩いてまずは根本中堂を目指します。

総本堂を参ってから水琴窟が設置されている
【阿弥陀堂】を目指します。
20140812比叡山山頂からの景色DSC_0482.JPG
駅より根本中堂に向かう道からは琵琶湖から
その対岸まで一望出来るはずです・・・。

当日は霧が濃く写真の様な景色しか見られませんでした。
これは残念でした。
20140812根本中堂②DSC_0485.JPG

20140812根本中堂の門DSC_0487.JPG
霧の中その荘厳な佇まいには圧倒されます。

中でしっかりとお参りさせて頂きました。
20140812阿弥陀堂案内看板DSC_0492.JPG
そしてついに阿弥陀堂です。
水琴窟の音色を想像致しますと胸が高鳴ります。

本当に目的のある旅は楽しいものです。
hieizan140812DSC_0513.JPG
この階段を登れば阿弥陀堂、そして水琴窟です。

普段の運動不足が祟り駅からここまで結構きついです。
20140812阿弥陀堂水琴窟全景DSC_0503.JPG
おお!!ついに目にする事が出来ました!!
皆さん"音"を聴いていらっしゃる。

感動の瞬間です。
20140812阿弥陀堂水琴窟②DSC_0506.JPG
別の角度から一枚。

手前と奥、二か所に水琴窟が設置されています。
さすが国宝の中の水琴窟、風格があります。

スペースが広い!庭師の方も思う存分腕を揮えたのではないでしょうか。
20140812阿弥陀堂水琴窟手前DSC_0498.JPG
まずは写真手前の方の水琴窟からご視聴させて頂きました。

この砂利の部分に水を流します。するとすぐに・・・。
やはりいい音です。

私が陶製水琴窟で目指すべき"癒し"の音です。
ここまでに汗だくだくでしたがそれ故に涼しさを感じました。
20140812阿弥陀堂水琴窟奥DSC_0501.JPG
そして奥のもう一つの水琴窟へ。奥に信楽狸が居ます。

矢印の先に水を流すと・・・いい!!すごくいい!!

個人的にはこちらの方が好きな"水音"です。
はっきりと反響音に余韻が残っています。
正直陶製水琴窟ではこの『余韻』を出すのが難しいのです。

高音(金属音)の反響音の余韻をどうやって感じて頂くか。
これが陶製水琴窟の製作上のポイントです。

地中に埋める、反響容器の甕がある程度のサイズがある事。
多分ですがこの二点が音の余韻のポイントだと思っています。

陶製水琴窟ではクリアするのが難しい箇所です。
しかし出来ないと言う分けにはいきません。
別の方法でそれらを補っていくだけです。

そして良い水琴窟を実際に観て音を聴く。
陶製水琴窟製作のモチベーションが上がります。

しかし水滴が弾ける音に関しては
全く私の陶製水琴窟も負けていないと思いました。

負け惜しみではありません。
実際に音を聴く事によって気付くことが沢山あります。
これからの製作の糧にしていきます。
20140812阿弥陀堂水琴窟子供聴くDSC_0511.JPG
実際に良い本物の音だとこうやって子供もじっと耳を傾けます。
私が作りたい陶製水琴窟の目標です。

それにしてもこのお嬢ちゃんじっと聴いていました。
俺の子供時分なら絶対聞いていません・・・
まず比叡山に来ないと思います・・・。
20140812東堂DSC_0505.JPG
阿弥陀堂の横にある東塔です。
次回は是非西塔、横川まで足を伸ばしたいです。
それにしても霧の濃い日でした。

立派な塔です。
当時の仏教を取り巻く環境に思いを馳せながら
ゆっくりと観させて頂きました。
20140812帰りのケーブルカーDSC_0518.JPG
帰りも勿論ケーブルカーで、
往復大人1,620円です。


上手い事出来てましてドライブウェイもほぼ同じ値段だったと思います。
hieizan140812DSC_0520.JPG
坂本駅ではこいつらがお出迎え。

20140812坂本ケーブル駅木彫り動物②DSC_0521.JPG
猿に

20140812坂本ケーブル駅木彫り動物③DSC_0522.JPG
熊です。
ケーブルの途中に猪もいます。是非
実際に水琴窟を訪ねて行った際にはご確認下さい。
僕はシャッターチャンスを逃しました。

阿弥陀堂の水琴窟を聴く為だけでしたら
坂本ケーブルをお勧めします。
しかしそんな人めったにいないと思います。

ケーブルを使って比叡山延暦寺の全域を回りたいのでしたら
トレッキングに行く位の気持ちと準備が必要と思います。

東塔地域だけでしたらこの季節Tシャツ短パンで行けると思います。
体重108kgの私は絞ったら汗が滴る位Tシャツを濡らしましたが・・・。

全域を無理なく参拝されたいのでしたら
自動車でのドライブウェイ(有料)をお勧め致します。

空気が乾燥した秋から初冬にかけて
是非もう一度訪れたいと思います。

湿度がたっぷりのこの季節はTシャツの替えがいると感じました・・・。

【次回予告】
水琴窟の水音を訪ねる旅(2)は
20140815圓光寺門DSC_0025.JPG
京都は北白川の瑞厳山圓光寺です。
すばらしいお庭に水琴窟が鎮座しています。
お楽しみに。

【追記】
各地の水琴窟をめぐり研究してこの様な陶製水琴窟を作っています。
『純朴陶芸家創作 大器の器』陶製水琴窟 陶琴のページ
是非見て下さい。

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