水琴窟の”水音”を訪ねる旅(6)愛知県常滑市 陶の森資料館

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水琴窟を訪ね歩いて第6回を迎えました。
まだまだ日本には水琴窟が沢山点在しています。
この水琴窟訪ねブログも50回位を目標に頑張りたいと思います。

さて、今回は常滑です。
常に滑ると書いて常滑。言わずと知れた陶産地です。

陶産地には必ず水琴窟有り。
何も下調べせずに常滑市役所に行って
水琴窟ありますかと聞くと
「三件ある」と景気のいい答えが返って来ました。

さすが陶土管の産地。

絶対に土管を活かした
水琴窟やぞと思っていたら一つはその通りでした。

「ビンゴ!」と思い
まずはその陶土管の水琴窟が置かれている所に行きました。

場所は”とこなめ陶の森資料館”です。
今回はどんな”水音”に出会えるのか。
それではスタートです。

【行った日 平成26年9月6日】
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まず駐車場を上がるとレンガの代わりに土管的な物が使われています。
いいです。陶器好きの気分を上げてくれます。

この地元の人間が見たら何とも思はないけど
他所の人間が見たら必要以上に感激するやつです。

こういうの陶産地の人間は押しがちです。
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その横にこんな物発見!!
いやいやすごいじゃないですか。
当時こぞって日本中の街が何かやらねばと思って色んな事したんでしょうね。

因みに信楽は芸術家岡本太郎氏が名誉町民です。
何故かと言うと太陽の塔の顔を
信楽に滞在して信楽焼(タイル)で作ったからだそうです。

すごい話と思うのですがあんまり世間に伝わってません。
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これがそのベンチです。
なんか結構ぞんざいに扱われている気がします・・・。

いやいや、きっとベンチとして
実際に使われている中でオブジェ芸術として完成するという
考え方に違いありません。そうです。陶器は使われてなんぼです。

僕が作っている水琴窟も正にそういう思想で作っています。
いや~共感しました。
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その万博ベンチを横目に進んでいきますと
資料館の案内がシンプル。

ただひたすらにシンプル。
これ以上の情報の何が必要でしょうか。
もし休館日に誤って来たらお前が悪い!!
そんな勢いを感じさせてくれます。

因みにここまでまったく水琴窟の事が分かる様なものありません。
さすが常滑、大陶産地です。水琴窟位で客を呼ぼうと思っていないわけです。

これは男前です。大概の水琴窟を設置している所は
やはり水琴窟を宣伝の前面に出します。

パンフレットや看板にガンガン水琴窟を載せます。

もう、有るのかどうか自体不安になって来ましたが
市役所の受付のお姉ちゃん信じて資料館に向かいます。

すると。
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いきなり入口横に有りました。

資料館の中や無いんかい。
と軽く思いましたが感動のご対面です。
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水琴窟の説明には必ずある断面図です。
説明文にあるハイテクを応用した
さまざまな水琴窟というのを是非一度見てみたいですが
何処にあるんでしょう?

仕組みは本当に単純です。
だからこそ陶器での応用のしがいがあります。
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なかなかいい形ではありませんか。

第一次世界大戦時の戦車(タンク)みたいです。
これ自宅の庭とかにあったらかっこいいと思います。
おっさんとか絶対モテるとおもうわ。

竹筒から音を聴くタイプです。
では”水音”を聴いてみましょう。
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ん、全然音しないぞ。

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水を掛けても掛けても音がしない!!
故障か?
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いや、水琴窟って故障するんか?
柄杓で何杯も水を掛けても音せえへんやん。

常滑まで来てスカを掴んだのかと思ったその時・・・
(ここからは突然の事でしたので写真がありません。文章で出来るだけ解説します)

「聴こえませんかあ~。」と資料館の中から受付のおばちゃんが出て来ました。
どうやら熱心に水琴窟の写真を撮っているデブのおっさんが珍しかったみたいで
音を聴こうと苦心している姿にも可愛そうになって声をかけてくれたみたいでした。

「そうなですよ、詰まっているんですか?」と言うと「まだ水が足りないんです。」との事。
そう言うと受付のおばちゃんは建物裏からバケツ一杯の水を持ってきました。
そしてそれをアイスバケツチャレンジの如くバチャバチャと水琴窟に掛けはじめます。

「そんなに水掛けるんかい。」と心の中で叫び終わる頃には
キンキンキンキン・・・と美しいまるで鈴の音の様な”水音”が竹筒から響いてきました。

説明の看板で水琴窟本来の音色は出ないなんてハードルを自ら下げていましたが
なんのなんの、いい”水音”を響かせます。

受付のおばちゃんにありがとうとお礼を言うと資料館もタダだから見てってね、と
中に入っていきました。
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はい、記念写真です。
当日は暑かったのでTシャツは汗だくです。
このおっさんが水琴窟の前でうんうん唸っているのですから手を差し伸べたくなるのも当然です。
きっとおばちゃんの息子を思い出したのでしょう。

それでは魅惑の水琴窟グラビアです。
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角度をつけてえ~。

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なんせ置いてる場所が殺風景ですからこんな写真しか撮れません。
いやいやこれは水琴窟位では資料館の中に入れない常滑のポテンシャルの奥深さを感じさせます。
俺から言わせたら水琴窟は資料館のメインだろうが!!と叫びたいですが常滑では通用しません。

まだまだ水琴窟の普及に努めなければいけません。
そんな事を強く感じた”とこなめ陶の森資料館”の水琴窟でした。

少しここで話題を変えます。
このブログで毎回何故、一所懸命各地の水琴窟を紹介しているのか?
そもそもお前誰やねんと思っておられる方もいると思います。

私は奥田大器と申します。
詳しくは本体HPの人物紹介のページへのリンクを貼っておきますのでお暇なら見て下さい。

滋賀県は信楽で水琴窟を焼物(信楽焼)で作っています。
しかしなかなか水琴窟と言ってもピンとこられる方があまり多くありません。
ですので水琴窟とはなんぞやという事を紹介するつもりでこのブログ
『水琴窟情報局 水琴窟の”水音”を訪ねる旅』を書いています。
水琴窟というすばらしい装置を少しでも知ってもらいたいと考えています。

是非、僕が作っている陶製水琴窟も興味がある方は見てやって下さい。
宜しくお願い致します。

以上、宣伝でした。
それでは次回の『水琴窟の”水音”を訪ねる旅』は
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“常滑やきもの散歩道”です。常滑シリーズ第二弾!!
もちろん残り二つがあるやきもの散歩道です。

いわずと知れた窯元散策の元祖ともいうべきロードです。
ここに一挙に二つ水琴窟が設置されているとの事。やはり産地のポテンシャルが高いです。

水琴窟以外に色々と信楽と比べて思う事がありました。
次回も宜しくお願い致します。

後、こちらも今年もやります!!
宜しくお願い致します。

【2014秋のガレージ窯出市】
(場所)     
滋賀県甲賀市信楽町長野1330-2
壷八ガレージ(国道307号沿い、信楽図書館の前の広場)
(日程)
10月11日~13日の3日間
詳しくはこちらから。

【お知らせ】
①『陶琴』シリーズや当HPの商品に質問、疑問がございましたら遠慮なくお電話、eメールでご連絡下さい。
詳しくはこちらをご覧ください。

②実際に陶製水琴窟『陶琴』シリーズの水音を聴いて頂けるギャラリーも御座います。
詳しくはこちらをご覧ください。

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