陶器屋のジレンマ。

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ジレンマ感じてます。
純朴ジレンマ陶芸家の
奥田大器です。

ちょっと最近
陶器の地場産地の
難しい所を感じています。

信楽はご存知の通り
?信楽焼”、焼物の製造産地です。
良くも悪くもイメージは
?陶器の里”だと思います。

?陶器”っていうのは
非常に?自然的”なイメージが先行している
ものだと思うんです。
そんな中、地方陶器産地創成を
謳う沢山の事業があります。
行政、民間を問わずです。

でも全部?経済合理性”で
語られている気がします。
売上を折れ線グラフで表示して
実行しようみたいな事が
なんの疑問も無しに取り組まれています。

経済や儲けるというのは
勿論大事です。
でもそれって前面に出して
やってしまうと興さめになると思うんです。

陶器、焼物は車や工業用品とは
意味合いが違うと思います。
同じ振興策が当てはまらない。
でも何か根っこが同じものに
取り組んでいる気がしてます。

お金は勿論儲けたいんです。
経済も良くしたいです。
でも陶器に関わる者がそれを
言ってしまうと終わりの様な気がします。

?陶器”に今の社会から求められてる
使命みたいな物は、
自然との共生であったり、
精神的開放であったり、
人間性への回帰であったり、
人工的生活の見直しであったり、
もっとハッキリしているのは
?反経済至上主義”的な物だと思います。

そんな時代に
陶器屋が儲ける事を考えたら
お客さんが離れていくと思います。
でもうちの陶器屋も会社法人なので
経営や銀行との関係、
もっと言うと毎月売上を上げなければいけません。
そこに悩んでいます。
明らかにジレンマです。

人生フルーツ』という映画があります。
まだ観てないんですが、
この老夫婦の暮らしがある意味
陶器屋の理想像な気がしてます。

地方、自然が豊富な田舎に
暮らして商売している陶器屋こそ
率先して脱経済至上主義を考えて
陶器を作らなければいけない。
そうしないとお客さんは歓迎して
陶器を使ってくれないと考えています。

地方の陶器屋こそ
?脱経済至上主義”を考えなければ
?経済”が回らない。
その様な時代になっていると思います。

僕は決して?お金”が悪いと
言ってる訳でありません。
?お金”は大事です。?お金”は尊いものです。
嫌という程
?お金”の力や効用は理解しているつもりです。

したたかに?お金”が回る様に
立ち回らないといけません。
そうしないと皆路頭に迷います。
しかし国際競争力や円安円高、
コストで語られる製品と?焼物”は違うし
そこで勝負すると?何か”に太刀打ち出来ない。
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?陶器”に求められているポイントを
しっかり把握しておかないと
この先産地が無くなりかねない。

現代生活に疲れた人。
ストレスとの戦い。
人間性復興。
自然との暮らし。
こういった社会の問題やニーズに
一種の答えを提示するのが
?陶器”、?焼物”だと思います。
それを提示すべき側が
経済合理性に縛られていたら
単純に説得力が無い。

しかし陶器屋も会社運営ですから
経済合理性を求められる。
しかし社会的使命は
お客様を経済合理性的な物から
解放しなければならない。

これが本当に今、
僕がずっと
頭にこびりついてる?ジレンマ”です。

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